ルーレット概要

ルーレットとは?

やったことがない人は山ほどいても、知らない人はまずいない。知名度という意味においては他のいかなるカジノゲームにも勝っているのがこのルーレットだ。またゲームの内容も単純明快なため、ビギナーがスロットマシンの次にやるのもこのルーレットと決まっている。

せっかくラスベガスにまでやって来て、「やったのはスロットマシンだけだった」 というのではあまりにも寂しい。

ルールは極めて単純なのでここで基本的な知識をしっかり身につけ、せめてルーレットぐらいには挑戦してもらいたいものである。

ゲームの基本

円盤に投げ込まれたボールがどの番号に入るかを当てるだけの極めて単純なゲームだ。

円盤には1番から 36番、それに 0番と 00番、合計 38ヶ所のスポットがある (ヨーロッパスタイルのカジノでは 00番がない)。また1番から36番には赤もしくは黒、そして 0番と 00番には緑の色がそれぞれ割り当てられている。

賭け方は、ボールが入るその番号そのものを単発で当てる単純な賭けから、偶数か奇数か、赤か黒かなど、さまざまなバリエーションが存在している。そして当たる確率に応じて払戻金の倍率もそれぞれ決められている。

一方、ルーレットにはブラックジャックのような知識やテクニックを必要とする戦略や戦術はまったく存在しない。したがって、ルーレットで覚えるべきことは賭け方の種類とその払戻金の倍率だけということになる。

もっとも払戻金はカジノ側が正しく計算して払い戻してくれるので必ずしも覚える必要はない。とにかくルーレットは知識が無くても不利になるようなことはない極めて単純で公平なゲームと言える。

ここで言う 「公平」 とは、初心者と熟練者の間で結果に差が生じにくいという意味だけでなく、どの賭け方をしてもすべて同じ期待値に配当倍率が設定されているという意味も含んでいる。これはクラップスと大きくちがう部分である。

ゲームの進行

現金もしくはチップ (CHIP) を、賭けたいところに置けば、それですべては終わりだ。

すでに述べた通り、ブラックジャックのようにゲームの途中でプレーヤーの判断が要求されるようなことは一切ない。また有利になるような戦略も戦術も存在しない。とにかく賭金を置いたあとは人知の及ばぬボールにすべての運命を託すだけである。

ゲームへの参加方法も極めて簡単だ。賭金をテーブルに置くことが唯一の参加への意思表示であり、人垣をかき分け勝手に手を伸ばし突然テーブルに賭金を置いてもそれは立派なゲームへの参加となる。言い換えれば、いつでも好きなときに参加でき、いつでも好きなときにやめることができるということになる (他のゲームでも同じことだが)。

この賭金を置くタイミングも特にむずかしいルールがあるわけではない。投げ込まれたボールのスピードが次第に落ちてくるとディーラーが 「ノーモアベット」( No more bet:写真) と言うので、それよりあとには賭けることができないだけで、それ以前であればいつ賭けてもかまわない (もちろん、前回分の精算が終わっていなければダメだが )。つまり 必ずしもディーラーがボールを投げ込む前に賭ける必要はないということである。
以上のように、ルーレットにおいては覚えるべきルールは特に何もない。ようするに賭金をテーブルに置くという動作さえできれば、どんな初心者でもすぐにゲームに参加できる。
さて余談になるが、ラスベガスのことをよく知らない者が、「ディーラーはねらった番号へ投げ込むことができるので絶対に負けるようになっている」 とか言ったりしているのをよく耳にする。しかし、それは全くの誤解だ。
少なくともラスベガスにおいては、ディーラーがボールを投げ込んだあとにも賭けることが許されているので、仮にねらった場所に投げ込むことができる腕のいいディーラーが存在していたとしても (実際にはそんなことは不可能だが)、それは客にとってなんら不利にも有利にもならないはずである。つまりディーラーの腕が恐いと信じて疑わない者は玉が投げ込まれたあとに賭ければいいだけのことであって、このような不安や疑惑の念を持つこと自体まったくのナンセンスということになる。